ピアノの練習は「面倒くさい」?!
・最近ピアノを始められた方
・もう既に小さい時からピアノを習っていて、長期間弾かれている方
・全くの初心者だけど、これからピアノを習いたいと思っている方
などなど、様々な方がおられます。
当然、「ピアノ」という楽器に興味があり、「ピアノ」音楽が好きだという方ばかりです。
しかし、「ピアノの練習」となると、”面倒くさい”という印象ありませんか?
今となってはプロのピアニストとして活動している私でさえも、小さい頃は、ピアノの事が好きにもかかわらず、「ピアノの練習って面倒くさいな~」と思っていました。
ピアノの練習を「面倒くさい」と思ってしまう理由とは?
そもそも、どうして人間は「面倒くさい」という感情を持ってしまうのでしょうか?
それは……
「面倒くさい」は脳にまだ、何かしらの”余裕”があるときに発生するのです。
どういうことかというと……
普段、私たちが使っているパソコンの容量と同じで、私たちの”脳”の中にも一種の”キャパシティー“があります。
その余っている”余裕”の場所で、本来考えなくてはいけない事とは別に、勝手に脳が「面倒くさい」ということを考えてしまっているわけです。
自動車でいうと、ブレーキとアクセルを全力で同時にかけているようなもの。
要するに、「自分」と「脳」の間に”葛藤”ができている。
時には、”脳”が勝手に自分の意志とは裏腹に作動してしまっていることもあるのです。
では、「面倒くさい」と思わせなくする方法なんて、あるのでしょうか?
「面倒くさい」と思わせなくする方法とは?
これは、ある時、たまたま新聞か雑誌を読んでいたときに掲載されていた、ある脳科学者の記事なのですが…….
脳科学者によると、実はこの「面倒くさい」を感じなくさせる方法があるというのです。
それは、どういう事かというと…..
・両目を完全に閉じます
・片足で立ちます
・声を出して30秒間、数を数える
そうすると……..
・脳の中で、身体のバランスをとろうとする部分
・脳の中で、数を数えようとする部分
・脳の中で、声を出して発生しようとする部分
これらすべての動作を、しかも”同時”に行うことになります。
一度に全力で、しかも同時に”脳”が作動することで、「面倒くさい」って考える余裕さえ無くなってしまう……ということなんです。
面白いですよね?
要するに、これが”脳が一気に活性化された状態“って事なんですね。
この法則はピアニストにも適応する!
先ほどのは、ある脳科学者の”体験実験”としての参考でした。
では、話を戻して、「ピアノを弾くとき」の状態で考えてみましょう。
よく、ピアノの発表会や、人前で弾く時、または、自分の家で一人でピアノを練習している時に、こういった事ありませんか?
・ピアノの練習をしないといけないんだけど、全くやる気がでない
・ピアノを弾いていても、何か他の事を考えてしまって集中できない
・発表会の本番で、暗譜が上手く出来てなくて「ヤバイッ!」って焦ってしまう
・ピアノを練習するときに、ある一点だけにこだわり過ぎてしまっている
人間なので、こういった様々な問題がでてきてもおかしくないのです。
しかし、こういう状態の時は、まだ、あなたの”脳”がうまく埋められていなくて、作動していないということなんですね。
言い換えると、様々な邪念がでてくること自体、集中できていない状態で、先ほども書いたように、“脳”にまだ、余計なことを考えれるだけのスペースが残ってしまっているということです。
なので、解決策としては、そこを巧みに埋めてあげればいいんですよね。
そうすることによって、あなたの”脳”は、更に活性化するということです。
偉人は脳を胡麻化せる才能を持っている!
女子フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワ選手をご存知でしょうか?
2018年、平昌オリンピックの女子フィギュアスケートの金メダリスト。
何気なくテレビを見ていた時の事、確かフリー演技の前での6分間練習。
フリーの演技では、アクロバティックな大きな2、3、4回転ジャンプなど、いろいろな技が披露されるわけですが、中でも、途中で比較的小ぶりな”三回転連続ジャンプ”というのもあります。
確かに、4回転などのジャンプに比べると、それほど失敗のリスクはないのかもしれません。
しかし、ザキトワ選手は、その6分間練習の時に、なんと、3連続ジャンプではなく、5連続ジャンプを跳んでいたのです!
正直、これには驚きました。
試合の時だけではなく、普段の練習の時から、そういった訓練をしているとのこと。
もちろん、他の選手もやっているとは思いますが…..
要するに、5回連続ジャンプが楽に跳べたら、3回連続ジャンプはいつもやっているより更に簡単に感じるということなんでしょう。
普段の練習の時から、「ワンランク上のレベル内容」を習慣化することで、本番の時の精神的プレッシャーを軽くすることが可能だということですね。
脳を活性化させる事によりピアノは上達する!
スポーツだけではなく、もちろん「ピアノ」においても、この”脳”のシステムは機能しています。
私の個人的な経験から言うと、例えば、コンサートなどでの本番においては、やはり、その本番の時っていうのは、もちろん精神的にも”いつもの自分“ではないのです。
大勢の前で演奏するわけですから、多少の”緊張“はあります。
この”緊張”は、子供が発表会で”頭の中が真っ白になってあがってしまう”というレベルのものではありません。
むしろ、いい意味での”緊張感”です。
しかし、その新鮮な”緊張感”を出せるための鍵は、やはり普段の練習の時の「マインドセット」が重要となるわけです。
練習の時から、研ぎ澄まされた感覚で、一つ一つの音に思いを込め、それを”指”にではなく、”脳”にインプットさせなければいけないのです。
まとめ
「面倒くさい」と思ってしまう”脳”に対して、どのように取り組んでいけばよいのか、それはピアノだけに限らず、何事をするときにも大切な要素となります。
人間なので、日によっては、こういった時もあるでしょう。
・なんだかだるくて、気分が乗らなくてピアノの練習どころではない
・朝から全くピアノを練習する気分にならない
・ピアノの練習はしたいんだけど、モチベーションが上がらず、なんだかしっくりこない
….といろいろあるかと思います。
そういった時は、ピアノの実技だけにこだわらずに、何か違う要素のあるもの、例えば、「和声法」や「対位法」など見て、勉強して、新しい風を”脳”に吹き込んであげるとか。
少しでも、“脳”に新しい刺激になるようなことを見つけることも大切です。
そして、それに対して、一気に「集中させることの出来るすべて」を普段から自然に出来るように埋め込めるようになれば、結果は変わってくることと思います。
もし興味のある方は、この本をオススメします。