さて、前回よりシリーズでお送りしています、超入門!ジャズ・ジャイアンツ伝説。
皆さんがすこーしでもジャズに興味をもって、ジャズの敷居が下げるために、一生懸命その魅力をお伝えしたいと思います!
さあ、今回ご紹介するのは”鍵盤の皇帝”こと「オスカー・ピーターソン」です。
スインギーかつテクニカルな彼の演奏は、現代のプレイヤーにも大きな影響を与え続けています。
その魅力や代表曲などをご紹介いたします。
超絶技巧!鍵盤の上を自在に踊る天才的な演奏
オスカーピーターソンは1925年、カナダのインド系移民家庭に生まれます。
幼いころから楽器に触れ、ピアノはもちろんトランペットなども演奏していましたが、結核にかかったためピアノに専念するようになります。
当時、ジャズ界で超絶技巧のピアニストとして有名だったアートテイタムの演奏に強く感銘を受け、ジャズにのめり込んでいきます。
特にスイング期のピアニストに影響を受けたため、その後の彼の演奏スタイルもストライド奏法など古い演奏手法を取り入れたものになりました。
離れた鍵盤を行ったり来たりするのが、さながら鍵盤の上を飛んだり跳ねたりしているように見えます。
非常に難しい演奏方法ですが、それをいとも簡単に、しかも、ものすごい速度で演奏できるのが彼の特徴であり、魅力の一つです。
彼の恵まれた体格と、天性の才能が見事にマッチし、ほかの誰にも出せない音、グルーブ、雰囲気を生み出しました。
黄金トリオ!スーパーベーシストとブラシの天才
彼を語るうえでなくてはならない存在がいます。
ベースのレイ・ブラウンとドラムのエド・シグペンです。
この二人と組んだトリオはオスカーピーターソンが組んだ数々のバンドの中でも特に人気があり、伝説的なバンドとなっています。
まずは何はともあれこのトリオの演奏を聴いてみてください。
おすすめのアルバムはWe get requests(放題:プリーズ・リクエスト)です。
中でも「酒とバラの日々」は名演奏と言われているのでぜひ聴いてみてください!
飛んだり跳ねたり自由自在に踊り狂うオスカー、下でどっしり支えたまに遊びを入れるレイブラウン、ブラシとスティックを使い分け楽曲にグルーブと彩を与えるエドシグペン、3人の良さがすべて詰まっているアルバムとなっています。
余談ですが、このアルバムではボサノバの「コルコバード」や「イパネマの娘」も演奏されていますが、オスカーピーターソンのボサノバは少し「跳ねて」います。
これがわざとなのか、それともクセなのかはわかりませんが、何とも言えないオスカー節のボサノバとなっています。
病から奇跡の復活!スイングビートよ永遠に!
彼は1993年に脳梗塞で倒れ、一時は演奏することはおろか歩くことさえもできなくなってしまいます。
しかし、健明なリハビリにより見事復活しライブもできるようになります。
若かりし頃の超絶技巧的なピアノからは変わりますが、スイング感や音使いは過去のまま、また新しい彼の演奏を楽しむことができます。
そして、2007年惜しまれつつも82歳でこの世を去ります。
しかし、彼のことを慕って彼のようなスタイルを学ぶ若き演奏家は後を絶たず今でもジャズピアノ界のレジェンドとして君臨し続けています。
ちなみに、彼が自らの後継者として指名したのが、ベニー・グリーンというピアニストです(同じ名前のトロンボーン奏者もいるので間違えないように!)。
彼は古き良きジャズを踏襲し、それを現代に伝え続けているピアニストであり、彼の演奏にはオスカーピーターソンのエッセンスが垣間見えます。
日本にも毎年のように演奏に来ているので、ぜひ行ってみてください。
オスカーピーターソンってこんな感じだったのかなあ、と思いをはせてみるのもいいかも?
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
少しジャズマニアになった気分でしょ?
次回は、あの天才管楽器プレイヤーの登場です!