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バッハ371コラールの和声分析をする前に必要な下準備とは?

和声法
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バッハ 371のコラール

前回は、和声法を学ぶには、バッハの371のコラールが最良の教科書だということについて書きました。

 

前回の記事は⇒コチラ

 

さて、実際にバッハの371のコラールの和声分析を始める前にしてほしいことがあります。

 

それは、「音部記号」に慣れるということです。

 

どういうことかというと、今現在、私たちは、ほとんどといっていいほど、楽譜を見る時は、ト音記号とヘ音記号ですよね?

 

 

もちろん、オーケストラでヴィオラやチェロ、または、移調楽器を使うクラリネット、金管楽器を吹かれる方などは、ト音記号・ヘ音記号以外の楽譜に慣れていらっしゃると思います。

 

【音部記号】とは?

 
音部記号 とは、ひとことで言うと、楽譜内で音の位置を指し示すナビゲーターのようなものです。
 
 
 
音部記号といっても、このように沢山あります。
 
 
 
冒頭でも述べましたが、現代の私たちは、ト音記号とヘ音記号に慣れてしまっています。
 
 
しかし、バッハの時代には、ソプラノ記号、アルト記号、テノール記号、バス記号などが日常的に使われていたのです。

 

ソプラノ・アルト・テノール・バス記号

 
 
それでは、一つずつ見ていきましょう。
 
ソプラノ譜表
 
 
 
 
アルト譜表
 
 
 
 
テノール譜表
 
 
 
 
バス譜表
 
 
 
もちろん、この他にも、メゾ・ソプラノ記号やバリトン記号などあります。
 
 
ここでは使用しないので、とりあえずは、「へ~、そういうのもあったんだ~」と、名称を覚える程度で構いません。

 
 

四声部コラールを実践するための楽譜

 
はい、こちらが、和声の「バス課題」や「ソプラノ課題」、または【対位法】を学びたいという方にとって、使う理想的な楽譜です。
 
 
 
上から、ソプラノ記号⇒アルト記号⇒テノール記号⇒バス記号 という順番です。
 
 
 
日本では、例えば「バス課題」または「ソプラノ課題」をするとき、通常、ト音記号とヘ音記号の私たちの普段から慣れた楽譜で実施することが多いと思います。
 
 
 
確かに、ずっとこの楽譜を見慣れている人にとっては、楽です。
 
 
 
しかし、私は、これから、和声や対位法を学びたい方には、是非、課題を実施するときには、この上記の楽譜を使っていただくことをオススメします。

 
 

音部記号を使うメリット

ト音記号とヘ音記号で十分わかりやすくて、しかも楽に読めるんだから、なんでわざわざ違う、しかも古い時代に使われたいた音部記号を使うのか?
 
 
 
……っと、誰もが疑問に思いますよね?
 
 
 
 
実は、私もイタリアで作曲を勉強していた時、そして、実際に作曲の師匠にそう言われた時には思いましたよ。
 
 
 
「メンドくさ〜〜」
「なんでやね〜〜ん」と。
 
 
 
私がイタリアで作曲を勉強していた当時、確かに作曲科の試験の時に、最終的にこの古い音部記号で清書して提出する義務があったというのも事実なんですが……
 
 
 
最初は言われるがままに、とにかくこの音部記号を使い「課題」をこなしていました。
 
 
 
しかし、時間が経つうちに、”あること“に気が付いたんです。
 
 
 
そ・れ・は……..
 
 
 
今まで、ごく普通に読んでいた「ト音記号とヘ音記号」が、倍以上の速さで読めるようになっていたことに。
 
 
 
「ほんまかいな〜〜」と思われる方もいると思います。
 
 
 
「通常」よりワンランク上の事をして慣れてくると、その今まで「通常」にやっていた事が、以前よりいとも簡単に出来るようになるのです。
 
 
 
騙されたと思って、あなたも是非やってみて下さい。

 
 

まとめ

今回、オススメしている「ト音・ヘ音記号以外の音部記号を読む」は、和声法や対位法を勉強している方だけではないという事です。
 
 
 
気づかれた方もいるかもしれませんが……
 
 
 
そうです、「ピアニスト」にとって、すごく大事な事なんです。
 
 
 
ワンランク上の事を「習慣化」する事にやって、あなたの「目」は変わるのです。
 
 
 
「目」が変わるという事は、あなたの「脳」がより活性化するという事です。
 
 
 
多くの方が見逃している事実です。
 
 
 
 
さて、次回は「バッハの371のコラール」を実際に例にとってみての「和声分析」について進めていきたいと思います。

バッハ, J. S.: 371の四声コラール集 BWV 253-438/ブライトコップ & ヘルテル社/オルガン譜