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独学で【和声法】を学ばれる方へのアドバイス

和声法

和声を独学で習得するとは?! 

和声法は独学で習得することが難しいものです。

というのも和声法が課題としていることは和声に関する古典的な美的感覚を育むことだからです。

この古典的な美的感覚というものがなかなかのくせ者です。 

 

まず、古典的であるため現代人である私たちからは遠いものですし、美的感覚というものは完全に理論化、文章化することが難しいため頭だけでは理解することができません。

和声法を独学で習得するということは外国語を独学で話せるようにするということと、ほとんど同じです。

外国語を話せるようにするためには会話の練習相手が必要ですし、発音やアクセントを確認してくれる人も必要です。 

 まず、和声法を一人で学ぶということがとても大変だということをしっかり理解しておきましょう! 

 

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【和声法】の教本を選ぶことの大切さとは? 

ではその上で独学する人は何をすべきでしょうか?

まず教本を吟味して選びましょう! 

 

和声法の本はたくさんあります。それらを自分の目で比較し、選びましょう。

だいたいの本は大きな図書館や大学図書館などに所蔵されていると思いますので、そこでチェックし、その後に購入することをおすすめします。 

 

人によって理解しやすい文章や本の雰囲気は違うので、吟味することは大切です。

私がまだ日本にいた時は、いわゆる芸大和声と呼ばれていた『和声 理論と実習』を使っていました。

この本で書かれている説明は少し回りくどくて、それがいやになる人もいるかもしれません。 

 

またこの本で使われている和声表記は特殊なもので、世界的に使われているものとは異なります。

さらに現在、日本では『新しい和声』や『総合和声』などの本を使う大学も増えているそうです。 

 

またこの本は高いです!別巻も含めるとすべて揃えるために2万円近くかかります。 

 

とは言いつつも、私にとってはこの『和声 理論と実習』は最高の本です。

人によって好みは大きく変わってきますのでよく吟味して決めましょう。

 

和声 理論と実習1 

 

 

 

古典的な美的感覚に慣れるために 

先にも書いたように和声法を学ぶことは外国語を学ぶようなことです。

和声法を先生につきながら学ぶのであれば、古典的な美的感覚を備えた先生がしっかりと添削してくれますが、独学ではそうはいきません。 

 

ですので古典的な感覚に慣れてしまいましょう!

そのために和声法の答案をピアノでたくさん弾くことをおすすめします!

とりあえずしゃべることが外国語の習得に役に立つように、とりあえず弾くことは和声法の習得に役に立ちます。 

和声の課題を解くために大切にしたいこととは!? 

古典的和声の感覚に慣れるようになりましたら課題をどんどん解いてみましょう。 

 

理論的に違反しているかどうかは自分で確認することができます。

理論を覚えるという意味では、洗足音楽大学が運営している「洗足オンラインスクール」というホームページもおすすめします。

このホームページの中では和声法の勉強もできます。

解いた問題を自動的に添削してくれるシステムも備えられているので、このホームページも活用してみる価値があるでしょう。 

 

課題を解く上で大切にしてもらいたいことは和声法で禁止されていることがなぜ禁止されているのか考えてみることです。

たとえば、連続5度はなぜだめなのでしょうか?

導音はなぜ解決しないといけないのでしょうか?

もちろん一人で考えることは難しいことです。

個人的な経験では次の本が参考になるでしょう。 

 

・『和声の原理と実習』外崎幹二、島岡譲 

 

・『和声の歴史』オリヴィエ・アラン 

 

・『大作曲家の和声』ディーター・デ・ラ・モッテ 

特にこの最後のディーターデ・ラ・モッテの”大作曲家の和声”は、たくさんの偉大な作曲家の和声の特徴・使い方・スタイルなどが書かれていて、すごく理解しやすいです。

私はこの本はちょうどまだイタリアにいた時に読んだので、もちろんイタリア語版でしたが、楽譜例がたくさんあるし、ほんとに読みやすかった教本でオススメします。

 

和声法を実践するために知っておきたいこと  

そして和声法は道具のようなものです。

それを習得しても使えなければ意味がありません。 

 

和声法を実際の作曲でどのように活かすのか。

それは過去の作品の和声分析から学ぶことができます。

バッハからワーグナーまでの音楽史に沿って作品を分析しましょう。

そうすることで和声法がいかに発展していったのか、そして過去の作曲家がどのように和声法を活用したのか、ということが理解できます。 

 

そしてそれと並行していろいろな作曲家の和声法のスタイルで書き分ける練習をしましょう。

そのためにはやはり、和声分析したものを弾いたり、多くの楽曲を聴く必要があります。 

 

まとめ:古典和声を終えたら 

ワーグナーまでの和声法の歴史が理解できましたら、シャランを勉強してみましょう。 

 

古典和声にはないフランス和声の魅力を感じることができましたら和声法はある程度習得できているものと思って良いでしょう。 

 

文章でまとめるとあっという間に習得できるような印象を受けるかも知れませんがこれらの道のりは険しいものです。

そして対位法や管弦楽法など他の音楽理論も、同じような流れで取り組めば独学も難しくはないでしょう。 

 

皆さんのペースでぜひ頑張ってみてください! 

最後に、もしいきなりお堅い”和声法”が難しく感じてしまうって思う方には、もう少し簡単な音楽理論、楽典などの説明も詳しくせつめいされていてわかりやすい教本があります。

総合和声 実技・分析・原理 /音楽之友社/島岡譲

これは私が18歳の時に海外に行く前ですが、日本で勉強していた時に使っていた教本で、音楽理論、楽典の部分もわかりやすく説明してくれているので、かなりオススメです。

一度、検索してみて、自分に一番合った教本を是非見つけてくださいね。