スポンサーリンク

音楽理論(楽典)は作曲するうえで本当に必要か?!

楽典

音楽理論=つまらないもの?? 

 

作曲をはじめてみようと思った時に、まず出てくる課題が音楽理論です。

音楽理論というなんとも難しい学問のような響きがしませんか?

なんだかどこかの大学の研究室でボサボサな髪の人がやっているような…

さらに和声法や対位法など音楽理論の用語は聞きなじみのないもので、難解な雰囲気をかもし出します。 

 

作曲の本の目次を読んだ時に、「厳格対位法」や「下方変位」、「偶成和音」という用語が目に入ると、そのまま本を閉じて作曲をすることなどやめたことがあるのでは?

もしくは、「音楽は考えるものではない!感じるものだ!」と怒って、むしろ作曲に情熱を感じることもあるでしょう。 

 

どちらにしても音楽理論という言葉が楽しくない上にナンセンスな印象をもっているということが言えるでしょう。 

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

昔のヨーロッパ人の美意識ってなんだろう? 

音楽理論とは昔のヨーロッパの人々の音楽に関する美意識を音によって理論化したものといえます。

そこで重要なものは「昔のヨーロッパの人々の音楽に関する美意識」ということです。

人の美意識というものは変わりやすいものです。 

 

たとえば皆さんが小さい子供の頃には好きだったテレビタレントや洋服も大人になってみると魅力を感じないことがあったりするのでは?

多くの場合、大人になると異性やファッションの好みは変わってくるものです。

大人になりあるものに魅力を感じないということは、決してそのものが美しくないということではなく、自分自身が感じる美しさの対象が変わったのです。

 

そのように美しさとは移ろいやすいものですが、昔のヨーロッパの人々は完全で唯一無二の美しさがあると考えました。

19世紀の多くの作曲家は、バッハや古典派期の作曲家(特にハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン)の作品こそが完成された美しさを体現している規範であると考えました。

そしてまさに西洋音楽の作曲において重要とされる音楽理論とは、後期バロック期から古典派期までの作曲家にとって美しいとされた音楽のルールのことなのです。 

 

だけど現代の多くの人々はこの音楽理論の音楽のみが美しいとは考えません。

人々の美意識は変わるからです。 

作曲するのに音楽理論は必要? 

和声法や対位法など難解な音楽理論を学ばなくても楽譜の書き方と、ある程度の感性と経験さえあれば作曲はできてしまうものですっと思っている方も多いと思います。 

実際に、楽譜も読めないのに、適当に電子ピアノで即興?みたいなのを弾いて、それを楽譜に書き残して…..みたいなミュージシャンも世の中にはたくさんいます。

確かに内容とジャンルにもよりますが、適当なものであれば、ある程度の”耳”さえあれば、それらしく作ることも可能です。 

 

たとえば音楽理論を一切学んだことのないシンガーソングライターでも一つの曲によって会場を満員にすることもできるし、多くの人々を感動に導くこともできます。

名曲は音楽理論が作るわけではないのです。 

 

とはいいつつも、もちろん知らないよりは知っていた方が良いのです。

いえ、絶対に知っておかなければいけないのです!

たとえば、和声法の知識を持っていれば従来の和声法の常識をあえてくつがえすことができますし、対位法を学んでいれば意図的に理論からはずれたことをすることができます。

過去の知識や常識の積み重ねによって新しい世界は見えてきます。 

 

作曲以外にも音楽理論って役立つの?? 

むしろ音楽理論はいわゆるクラシック音楽を理解するために必要ではないでしょうか。 

 

「感性はあてにならない。理論というルールが必要である」と考えたヨーロッパの作曲家達が作った音楽がクラシック音楽です。

感性のみで現代人が理解できるものではないのです。

一つの作品を理解するためには、その作曲家の人となりや価値観、時代背景をも知る必要があります。 

 

さらにその作品にはどのような音楽理論的な特徴があるのか知る必要があるでしょう。

歌舞伎や能などと同じく、クラシック音楽を理解するためにはある程度の知識が必要なのです。

私たちは現代人ですし、さらにヨーロッパ人ではなく日本人なのですから。 

ただ、日本人にはヨーロッパの音楽が理解できない…と言っているのではなく、もし本当に西洋音楽というものを理解したい、または少しでも近づきたいのであれば、西洋音楽の基礎となっている、音楽理論・和声法、そして対位法を知っておく必要性があります。

西洋音楽の歴史に始まり、音楽理論、和声法、対位法、それだけではなく、その国の言語も然りです。

そして最も大事なのは、その国の”空気“を味わい、感じることができるかどうかです。

実際、私は海外に20年いましたので、これに関しては、おそらく同じ経験をした人にしかわからないものがあるかもしれません。

まとめ:作曲家とコミュニケーションを取るということ

こう書いてしまうとすでに敷居の高いクラシック音楽がさらに敷居の高くなるように思うのでは? 

だけどこのように考えてみてください。

クラシック音楽を聴くということはその作曲家とコミュニケーションを取ることだと。 

学校の音楽室に掲げられている気難しそうな作曲家達も人の子で、笑ったり泣いたり恋をしたり怒ったりもしたのです。

そんな人が何時間もかけて一つの曲を作ったのです。

そこにはなにかしらのメッセージがあるはずです。

なので、彼らに質問しましょう!

どうして?のきっかけとして音楽の理論に触れてみてはいかがでしょうか? 

それによってクラシック音楽の新しい経験ができることでしょう! 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
楽典
スポンサーリンク
pianisticacademyをフォローする
Pianistic Academy