イタリアオペラの巨匠、ジュゼッペ・ヴェルディ。
彼は多くのオペラを後世に残しています。
そしてそのどれもがとてもドラマチックで今でも多くの人に愛されています。
今日はヴェルディのオペラの中から、聴衆者の立場からみたお薦めアリアを5曲紹介しようと思います。
不動の名作オペラから華やかなアリア
オペラ「椿姫(La traviata)」よりヴィオレッタが歌う「花から花へ(Sempre libera)」です。
ヴィオレッタはこの物語のヒロイン。
彼女は高級娼婦です。
今ではそんなに過激な設定ではありませんが当時(1850年代)には歌劇な内容で一時上映を禁止されそうになったそう。
高音をばんばん歌いあげ、リズミカルにどんどん曲が進んでいく聴きごたえ抜群の曲。
曲調はとっても明るく、当時の華やかな社交界にはピッタリの曲です。
ソプラノ:ミレッラ フレーニ
清らかな乙女心のオペラアリア
オペラ「リゴレット(Rigoletto)」よりジルダが歌う「愛しい御方の名前(Caro nome)」
ジルダもこの物語のヒロインです。
ジルダは名も知らぬ男性に恋をします、ひょんなことから彼の名前を知ことになり、彼の名前をつぶやきながら自分の一途な恋心を歌うのがこの「愛しい御方の名前」。
恋する乙女心を音にできるヴェルディってやっぱり天才!
そう思わせられる曲です。
ロマンチックな夜にぴったりの曲です。
ソプラノ:ナディーネ スィエッラ
清らかな乙女心を敵に回すオペラアリア?!
次もオペラ「リゴレット(Rigoletto)」からです。
マントヴァ侯爵が歌う「女心の歌(La donna e mobile)」。
この曲は非常に耳馴染みがよく、とても軽やかでイタリアらしい陽気な雰囲気の明るく鼻歌にもぴったりの曲です。ヴェルディもこの曲の出来には大層満足していたよう。
この曲を歌うマンドヴァ侯爵とは先ほど曲のジルダの恋の相手です。
実は彼は超が付くほど女遊びがお盛んな人。
ジルダのことも好きですが、他の女の人も好きなのです。
しかもジルダに教えた自分の名前も実は偽名。
ジルダの一途な恋心とは対照的な侯爵の恋に対する考え方。
この対比を楽しんでみてください。
劇的かつ美しいオペラアリア
オペラ「イル・トロヴァトーレ(Il trovatore)」よりレオノーラが歌う「静かな夜(Tacea la note placida)」
曲の始まりは陰湿なよからぬ雰囲気が漂いますが、だんだん霧が晴れていったように希望の光が差し込んできます。ワルツにのせて踊ってしまいそうです。
そして高音が鳴り響き、また不穏な空気が。と思ったら、快活かつせめぎ合うようなメロディーが後半続きます。
というように曲調が変化していき聞いていて飽きがこない曲です。
内容はレオノーラが愛する彼への熱い想いを歌った曲です。
ソプラノ:アンナ ネトレプコ
トゥララッラ♪と歌いだしたくなるオペラアリア
オペラ「仮面舞踏会(Un ballo in maschera)」よりオスカルが歌う「どんな衣装か知りたいだろう(Saper vorreste)」
この曲第一印象でとってもチャーミングな印象を受けます。
たった2分しかなく本当にあっという間に曲が終わってしまいますが、その中にソプラノの技量が試されるような技巧的なメロディがあったり、十分楽しませてくれる曲です。
「トゥララッラ♪トゥララッラ♪」と一笑に歌いたくなるそんな楽しい曲です。
内容は「僕は知ってるけど教えてあげないよ~ラララ~」とからかいながら小姓のオスカルが3幕で歌うアリアです。
ソプラノ:エディ―タ グルベローヴァ
まとめ
いかがでしたでしょうか、この中からあなたのお気に入りのヴェルディのオペラアリアが見つかるといいですね。
まだまだヴェルディはたくさんのオペラアリアを作っています。
中には短くてもすごくインパクトの強い曲もあれば、暗く重たい曲や8分近い大曲などもあります。
ぜひいろいろ聞いてみてくださいね。